祭囃し編の半分で文字上限になってしまったので、さらに分割した続きです。
『ひぐらしのなく頃に』を読み進めながら感想を書いていく記事です。
こういった謎解き系は一度読むと新鮮な感想を抱けなくなる不可逆的エンターテイメント。
なので、新鮮な感想を書き残しておこうという試みです。
注意:多分にネタバレ要素を含むので未読の方は絶対に読まないで下さい。
【祭囃し編(5巻~6巻)】
5巻は記憶の継承に失敗した梨花に羽入が事の真相を語るところから始まります。
本来女王感染者である自分を守るはずの鷹野と山狗が敵と知り当惑する梨花。
敵の正体が分かっても無理だと諦める梨花に、羽入は前の世界のことを話します。
沙都子の問題を皆が協力して暴力以外で解決した世界の話を。
発症させない方法は、「みんなに相談する」ことであると。
圭一から奇跡は信じなきゃ起きない、そしてみんなが信じれば必ず奇跡は起こると教えてもらった羽入は梨花に戦って…!と説得します。
今までとは変わった羽入を見て、決意する梨花。彼女たちは仲間を集めることにします。
一方その頃、赤坂は大石や熊ちゃんたちと会っています。
赤坂は梨花ちゃんに会いたいと思って来たと告げます。
そして、この世界線では梨花の予言のおかげで奥さんは命を救われていますね。
捜査資料から入江診療所の名前を見つけた赤坂は、このことを思い出し、そして、梨花の「昭和58年の今日あるいはその数日後私が殺されます」という予言も思い出したのです。
赤坂は大石から、予言通りに昭和56年梨花の両親が怪しい形で死んだことを聞きます。
昭和54年にダムの現場監督が死んだのも予言通り。
赤坂は昭和55年に沙都子の両親が転落事故で死んだことを言い当てます。
そして秘匿捜査指定が入っているはずの4年目の事件も言い当てます。
顔色を変える大石たちに「私は今年殺される人間の名前も知っています」という赤坂。
古手梨花が殺されると伝える赤坂。警察たちは静まり返ります。
あり得ないという熊ちゃんを遮り、大石はこりゃいったい何の話ですかと尋ねます。
赤坂は梨花が昭和53年6月の時点で語ってくれたことを伝えます。
雛見沢に行き、古手梨花の真実を聞きましょうと硬く握手を交わす二人。熱いですね。
その頃野村は、梨花を殺す終末作戦を1週間後に決行すると鷹野に電話します。
電話を切ったあとの野村は、今度は高城と名乗って別の誰かに電話します。
緊急マニュアル第34号に総理は必ず署名する。そうすれば雛見沢症候群という危険な研究をしていた連中の責任が追及され、旧小泉派は発言力を大きく失うと。
そうすれば官邸は我らの手中に納まるも同然。鷹野は駒として大きく貢献してくれた。
日本を手に入れるために村1つの犠牲は安いものですと。
鷹野は貴女と祖父は神になれると唆され、派閥争いの駒として利用されていますね。
梨花は皆の力が必要と分かりつつも、どうすれば皆に信じてもらえるか悩んでいます。
まず、梨花はもともと研究のことを知っている入江に相談することにします。
しかし、梨花を殺せば雛見沢症候群の研究は止まるからあり得ないと古江。
また、もし集団発症が起きたときは、雛見沢の住人全てを毒ガスで皆殺しにする緊急マニュアル第34号という緊急措置がとられるということも古江から聞かされます。
自分が死んだ世界で毎回そのようなことが起きていたのかと憤る梨花。
また3年後に研究の打ち切りが決定しているから猶予を有意義に使いたいはずだと古江。
動機が己と祖父が神になることで、研究はその手段に過ぎないと読者は知っています。
しかし、梨花はどうしても鷹野の動機を掴むことができません。
羽入は「あぅあぅあぅ 悩んだときこそ仲間の力を借りるのです!」とアドバイス。
漫画の話だとして、仲間たちにそのまま伝えて動機は何だろうかと尋ねる梨花。
すると、魅音があっという間に「研究者を利用する更なる黒幕がいる」と言い当てます。
『研究員は自分んが半生をかけて築いてきた研究が後3年で打ち切られるって話が決まり「東京」に陳情するも酷い言葉でこき下ろされ救いの道もなく傷つき辛い思いをしている。そんな時Aの派閥を失墜させてのし上がりたいBの派閥の一員がその憔悴した悪の研究員に目をつけるんだ。「私だけは貴女の研究を理解できます」「村を滅ぼし貴女の研究の偉大さを上層部に知らしめるのです」。普段はプライドが高く気丈な研究員も傷ついた心を揺さぶられ簡単に懐柔されてしまう。そして研究員は立ち上がるんだ。他の人の手で自分の研究成果が破棄されるくらいならせめて自分の手で葬ろう。自ら女王を殺し研究に終止符を打とう。』
部長強い。
そして、3年の猶予についてもレナが黒幕の都合、沙都子が研究員にとっては猶予ではなく3年後に死刑と言われたように感じていると言い当てます。
梨花は、一番重要なこと、主人公の少女はどう立ち向かえばいいかを尋ねます。
「無理」と一蹴する魅音。絶望しかける梨花。
と、「こんな設定はどう?武器全般が扱えて小隊指揮も出来る戦闘のエキスパートとトラップだけで敵部隊を混乱させられる特殊能力があったりする子がその主人公の友達とかね」
一転して希望の表情の梨花。
沙都子のトラップのすごさ。魅音の指揮能力。レナの運動能力。圭一の機転。
こんなにも頼もしい味方にどうして私は今まで打ち明けなかったのか…と梨花。
一人では出来ない事でもみんなでなら出来るのですと羽入。
一人では絶対不可能な事でもみんなでならきっと奇跡が起こせる…
どうやったら陰謀に勝てるのかもっとアイデアが欲しいと仲間に尋ねる梨花。
1つ気がかりなのは今回は漫画の話として相談している点ですね。
梨花は古江と富竹を呼び出し、鷹野に命を狙われていること、研究の打ち切りを宣告された鷹野が今とても正常な状態とは言えないこと、派閥争いの駒として利用されている可能性などを告げます。
あり得ない話ではない、と鷹野と山狗の近辺を至急調査させると富竹。一歩前進です。
また、富竹に暗殺に気を付けてと警告する梨花。
今まで一度も警告を真剣に受け止めなかった富竹ですが、この世界で初めて届きました。
ここで後ろから物音が!出てきたのは大石でした。驚かしやがって。
話がややこしくなる前に出直して欲しい梨花ですが、大石は懐かしい友達を連れてきたと。
そこには、昭和58年6月に来てくれることなどあるわけがなかった、赤坂の姿が。
「長い間待たせてすまなかったね」と赤坂。梨花に対してだと非常に重みがあります。
号泣する梨花に、無条件で君の味方だしどんな不思議な話も信じると赤坂。
赤坂から公安部資料室所属を聞き、うっかり極秘強硬捜査部隊と言い当ててしまう富竹。
入江にも赤坂は「入江機関」や「二等陸佐入江京介」の話を振ります。
もう隠しっこはなしにしましょう。私達しっかりと聞いちゃってるんですから!と大石と赤坂。
入江と富竹はすべてを二人に話すことを決めます。
今まで接点のなかった大人達が集い話し合っている初めての世界に奇跡を感じる梨花。
雛見沢症候群などの話を聞き、赤坂は特殊部門にいることもありすぐに信じます。
一方小説の筋書きを聞いたような気分の大石に、赤坂は手を引いた方がいいと告げます。
定年で退職金を得られる直前にいることが理由だと赤坂は言います。
職も退職金も何もかも全てを失う覚悟がなければ引き返せということです。
おやっさんの墓前で誓った大石ですが、何十年もかけてきた人生を前に葛藤します。
「雛見沢村連続怪死事件の真相を暴く!夢にまで願った真相の扉が今ここにあるってのに退職金欲しさに我が身を守ろうとするなんて私の刑事魂はそんなもんだったんですかね!?畜生…畜生…ッ。警察なんていつでも辞めてやるって何で言えないんだ…畜生…ッ…」
古江は全てが終わったら連続怪死事件の全てをお話しますと伝えます。
大石は、皆さんに協力した勇気ある大石蔵人に教えてくださいと返します。
「少し考える時間をいただけませんかね…不甲斐ない私に少しの時間を―」
今まで沢山の世界を見てきた梨花でさえ、こんなにも弱弱しく見える大石は初めてです。
言葉をかけられない梨花たちですが、羽入が出てきて「僕が許します」と言います。
雛見沢の守り神として大石の人生も見守っていた羽入だからこそ言葉をかけられます。
「決して軽くない人生だからこそ決断を求められる時にもその選択肢は重みを得る。軽々しい選択や蛮勇は決して誇らしいものではない。真に誇るべきなのはあなたのような真に重い人生を歩んできた者が本当に重い選択をした時なのです。あなたが冷静で落ち着きのある選択をしようとも、勇敢で男らしい選択をしようとも、それがあなたの悩み抜いた選択である限り私はあなたを讃えましょう。」と優しい顔の羽入。
「ありがとう初めて会うお嬢さん。なぜか一番嬉しかった言葉です…。臆病な私に時間を許してくれてありがとう…」と晴れ渡る顔で返す大石。
大石は裏で糸を引いていたのが園崎家だと信じて追ってきたのが正解だったか尋ねます。
入江はいいえ不正解です、連続怪死事件は全て私達側から説明出来る事ですと返します。
その言葉を聞いて、大石は大声で空に向かって笑います。
大石…嬉しそう…どうして…?とわけが分からない梨花。
憎む人がいなくなるというのはとてもとても幸せで気持ちのいい事なのですよ、と羽入。
大石がその場を去って話合い再開。富竹は入江機関に内緒で宿を変更することに。
そして、梨花は仮病で学校を休み、沙都子と共に園崎本家の地下に匿ってもらう事に。
その間の夜の自宅電気の点灯は赤坂が泊まり込むことに。
動揺して照れる梨花に対して全く照れずに即断する赤坂。何か腑に落ちない梨花(笑)
赤坂と共に自宅に戻り、沙都子に事情を話そうとすると、そこには既に荷造りをする姿が。
どうやら沙都子は境内で盗み聞きしていたようです。そして親友の話は信じると。
翌朝、梨花は園崎家で部活メンバーに漫画の話は本当に起こっていることと打ち明けます。
巻き込んでしまって申し訳ないという梨花、一瞬面食らって静まり返るメンバー。
そんなとき羽入が圭一にはっぱをかけます。そして圭一は皆に火をつけます。
一致団結した皆は今後の作戦を立てます。真の攻撃役である富竹に援護はできないか。
ここで魅音が緊急マニュアルの穴について気づきます。「どうして梨花ちゃんが死んだ事もないのに48時間で村人が発狂するなんてわかるのさ。」
沙都子と圭一も敵の弱点に気づきます。緊急マニュアルの意味を失わせればよいと。
つまり、「梨花ちゃんが48時間前に死んでればいい!」
大石の協力が必要だが、「梨花ちゃんの死体が発見されました。でもその死体は死後48時間以上が経過しています」という偽情報を流してもらえばいいわけですね。
圭一たちが言ってくれるまで全然気が付きませんでした(笑)
マニュアルの根本に疑いが出て上からストップがかかり、敵のもくろみは崩れるはずです。
そこで動揺をついて富竹が連中の尻尾を掴んで番犬部隊を呼び寄せれば鎮圧できると。
こうして「48時間作戦」が計画されました。
さて、48時間作戦のことを頼まれた大石は、おやっさんの墓前でどうするか悩んでいます。
すると、毎年律儀に紫陽花をお供えに来てくれている人らしき足音が後ろからします。
いったいどんな人が…と振り返ると、そこにはなんと園崎茜と園崎詩音が。
大石が犯人と疑い恨んできた園崎家の人間が、おやっさんに紫陽花を供えていたのです。
対立していたあなた方がなぜと問う大石に、ダム戦争はもう終わったからと母娘。
しかも、毎年供えられていた包みの中身は、鬼婆特製のおはぎでした。
「そんな…」と信じられない大石。
茜と大石は次のようなやりとりをします。
茜「大石の旦那。もうさ、そういうのはおしまいにしようじゃないかい。園崎家がダムの監督の墓前に花を供えちゃいけない、とかさ。もう昭和も60年になろうってんだ。下手すら数年もしない内に元号も変わるかもしれない。…そんな時代なんだよ。国にも私達にも悪いところがあった。だから反省するよ。そしてそれはそれでおしまい。古い時代を片付けて新しい時代を作るのが残された者の仕事さね。不幸な事件があってこの御仁は死んじまったけど、…もし生きてたなら私ゃ一緒に酒を飲んで全部水に流したいと思ったさ。でも死んじまった。だからこの御仁とはもう仲直り出来ない…悲しい事さ。」
大石「…それが死別というもんですからねぇ…。」
茜「…でも、あんたは生きているじゃないかい。」
大石「そうですね私は生きてます。あんたらも生きてます。―ああ、晴れてきた。」
茜「時代は変わっていくのさ…雛見沢も新しい時代に移っていく。」
大石「確かに…あの鹿骨の鬼姫園崎蒐にいつの間にか説教をされるようになったんですからねぇ。」
茜「嫌だねそんな通り名まだ覚えているのかい?もう忘れておくれよ。」
大石「んっふっふっふそうですねぇ。ダム戦争はもう終わったんですから。」
この二人が雨上がりの晴れた空を見上げながら、最高の笑顔で会話してるんです。
もう、こう、胸にぐっと来ました。
茜と別れた後、おやっさんの墓前で「行ってきます――」と決意を固めた大石。
その頃、鷹野は野村から、計画通り富竹殺害の指示を出されます。
しかし、買収に応じた場合はどうしましょう…など何やら躊躇いを見せている鷹野。
いつもは鬱陶しく感じていたのに、ここ数日はずっと彼のことを考え会いたいと考えてます。
いつものように連れ出して欲しい、彼に私を許してほしい。と心のどこかで思っている鷹野。
彼女は彼女で何やら葛藤しているようですね…。
もう誰も私を許す事などない、でも仕方ないんだ、全てはお祖父ちゃんを神とする為。
しかし、彼女はここで気づいてしまいます。
本当にそう?本当にお祖父ちゃんはこんな形で自分の研究が認められる事を喜ぶの?と。
私がこんな事をしなければお祖父ちゃんの研究は日陰の存在だったかもしれないが消滅させられる事はなかった。消滅さえしなければいつか誰かがこの研究の偉大さに気付き日を当ててくれる事もあったかもしれない。でも私がその可能性を閉ざした。私が間違っていた?
研究を継ごうとしなければ、お祖父ちゃんに助けられなければよかったんだ、と激しく心を乱す鷹野。お願いジロウさんそばにいて!!どうしていてくれないの!?私は…私は―
「鷹野さん」
(ジロウさ――) 振り返るとそこにいたのは富竹ではなく入江でした。
入江に自分の過去の不幸と、高野一二三のことを話す鷹野。
「でも私はお祖父ちゃんの研究を失い」(そして明日にはあの人を――)
「結局私は最後まであと1本の旗を手に入れる事が出来ないみたい…」
ここで富竹の告白シーンを思い出すあたり、鷹野は富竹に惚れていたんでしょうね。
(もう戻れない…)と決意を固めてしまう鷹野…。
仲間たちは園崎家は一致団結、「雛見沢の興廃はこの一戦にありだ!!」と決起します。
48時間作戦の発動は綿流しの日の朝4時に決定。
勝つのは鷹野か、私達か。さあ今こそその時は来た。開こう昭和58年6月19日の扉を。
雛見沢のいちばん長い日が今始まる――!!
といったところで5巻終了。
仲間との推理、赤坂との再会、大石の葛藤と園崎家との和解、鷹野の苦悩。
今までで最も密度が濃く、渋く、熱い巻でした。
6巻冒頭は鷹野へ偽の情報が伝えられます。研究を見捨てられると焦る鷹野。
一方、梨花の家を監視していて点灯を見ていた山狗の小此木。
祭りの日で突入もできないという出来過ぎた状況に何者かに攻撃されていると見抜きます。
彼はちょうど欠席していた富竹が怪しいとして富竹の行方を探らせます。
署では大石が梨花の死が本当か確認しにきた敵のスパイ、県警の大高を食い止めます。
「刑事魂をかけた仕事だというのなら私をどかしてみなさい」と立ちはだかる大石。
無理やり通ろうとする大高の肩を掴んで止める大石。
「私はね背負っていますよ。雛見沢の住人二千人分の命をね。」「ここを通りたければ二千人を押しのける気迫で来んかい!!」と一本背負い!大石熱いですねー。
大高は腰を抜かしながら園崎議員の名前を出して脅しにかけます。かっこ悪い。
しかし「お前誰じゃい」と、そこには園崎茜と園崎三郎議員の姿が笑
園崎の名を騙った大高は園崎議員に奥に引っ張られていきました。
鷹野の方は、梨花の在宅確認を入江の証言でしか裏付けられないなんとも頼りない状況。
野村から催促され焦る鷹野。
しかし、富竹の不在が怪しいと同時に、古江も怪しいと気づき監視をつけます。
富竹は居場所がばれ、逃走を試みるもあっさり捕まってしまいます…。
富竹の捕縛を知った入江も赤坂の助言通り逃走を試みます。
赤坂に梨花宅への電話コールという囮も兼ねた緊急報告をし、車で逃げる入江。
梨花宅から飛び出した赤坂は不審な男として鷹野に存在はばれます。
発砲されて転落した入江は、偶然通りかかった詩音の乗った車に拾われ、園崎本家へ。
しかし、入江の服には発信機が取り付けられていたため、園崎本家が本陣だとばれます。
園崎本家に乗り込んでくる山狗。しかし沙都子のトラップが炸裂します。
部活メンバーと詩音と葛西、入江は園崎家の地下へ避難。籠城戦の開幕です。
詩音と葛西に事情を話す部活メンバー。
しかしこのタイミングで電気を落とされ監視セキュリティが停止します。
綿流しを知らせる花火の音にまぎれさせて爆薬を使う山狗。
防空壕の鋼鉄製の扉が爆破されてしまいます。
いち早くその意図に気付いた皆は奥に逃げ込みます。
逃げ道は竪穴そのものの井戸の途中の横穴のみ。しかも足場は不安定なはしごだけ。
一人一人が降りてしまっては最後の人間は間に合わないことは明白です。
詩音は「たまには姉らしい事させて下さいよ。"詩音"。」と言って殿を務めることを提案します。
本当は姉で頭首になるはずだった詩音は、小さい時に入れ替わったせいで魅音に頭首の座を押し付けてしまったことにずっと罪悪感を抱いていたのです。
順番に降りる一行。最後に残ったのは葛西、詩音、圭一です。
自分が残るという圭一に「私の想い人はもういないけど、お姉にはいるもん」と詩音。
「圭ちゃん。まだ死ぬ気はないけど下にいる"詩音"に伝えて。私達また生まれ変われるなら…次の時も双子がいいね」
銃撃戦に飛び出していく詩音。こんなん泣きますわ。
横穴で詩音を待つ一行ですが、上からは無慈悲な制圧という声が…。
山狗はまだ息のある詩音を人質に、梨花と入江の身柄引き渡しを要求します。
梨花はみんながきっと助けに来てくれる奇跡を信じ、自分が山狗の前に出ることにします。
他の皆を見逃すことを条件にはしごを登っていく梨花。
梨花を捕まえた小此木は部下に残った者の射殺を命じます。まさに外道。
梨花に迫る睡眠薬…終わったか…と、そこに注射器を持った奴を殴り飛ばす男の姿が!
「…間に合った…。数え切れない世界で後悔した。いつも気付く時には手遅れだった…。私がずっとずっと一番伝えたかった言葉を言うよ。梨花ちゃん、君を助けに来た――!!」
赤坂ー!!かっこよすぎるー!!
約束は、5年前。だがそれは、5年では決して培えぬ思い約束。これは…百年にも勝る約束の誓い。足して百年間。幾多の世界で、少女を救えなかった後悔に苦しみ、奇跡を信じて我が身を鍛え続けた男がいた。幾多の世界で、願いを込めて、男を待ち続けた少女がいた。その二人の想いが、今、奇跡を起こす。昭和58年6月、雛見沢―――赤坂衛はついに、古手梨花の危機に間に合った――!!
ナレーションもかっこよすぎてこんなのテンション上がりますわ。
空手を極めた赤坂の拳は、全て一撃で山狗の構成員を撃沈していきます。
その威力、まさに徹甲弾!!
強者との戦闘を望んでいた小此木は狂喜して赤坂に勝負をふりかけます。
しかし、小此木を拳をまともに受けてノーダメージの赤坂。
「軽い」と一言。心を養う空手と違い、ただの戦闘職の小此木の一撃には重みが宿らない。
「俺が山狗の小此木だぁあぁ!!」「そりゃ良かったな。給料いくらだ。」
ちょっとよく分からない決め台詞と共に放たれた一撃で、小此木轟沈。
ちゃっかり地下のメンバーも銃器を奪って反撃、見事山狗を追い返します。
詩音も無事です!よかった!!
山狗の暴走がハッキリしたので、あとは富竹が番犬部隊に伝えれば援軍が来ます。
さぁ富竹さん救出作戦の開始だ!! といったところで6巻終了!
大石の刑事魂、詩音と魅音の姉妹愛、かっこよすぎる赤坂。
熱い展開に超テンション上がりました!
文字上限が怪しいので、また分割して次の記事で続きをば。
『ひぐらしのなく頃に』を読み進めながら感想を書いていく記事です。
こういった謎解き系は一度読むと新鮮な感想を抱けなくなる不可逆的エンターテイメント。
なので、新鮮な感想を書き残しておこうという試みです。
注意:多分にネタバレ要素を含むので未読の方は絶対に読まないで下さい。
出題編の私的推理(鬼隠し編、綿流し編、祟殺し編、暇潰し編)
→ http://kirisamemagic.diarynote.jp/201609240526322467/
解答編のプチ感想①(目明し編、罪滅し編)
→ http://kirisamemagic.diarynote.jp/201610010535168059/
解答編のあらすじ・プチ感想②(皆殺し編)
→ http://kirisamemagic.diarynote.jp/201702110030195360/
解答編のあらすじ・プチ感想③(祭囃し編・前編)
→ http://kirisamemagic.diarynote.jp/201708272145107238/
解答編のあらすじ・プチ感想④(祭囃し編・中編)
→ ここです。
解答編のあらすじ・プチ感想⑤(祭囃し編・後編)
→ http://kirisamemagic.diarynote.jp/201709082249366567/
【祭囃し編(5巻~6巻)】
「祭囃し編」について 「渋さ」と「情熱」 原作・監修:竜騎士07
こんにちは、竜騎士07です。
大石は年配の方特有の「渋さ」を持った味わいのあるキャラです。年配の方特有の視点や口調が印象的で、人生に達観した雰囲気を持ち合わせていますが、その反面、若いころの「情熱」も忘れず、定年退職を迎える前に事件の解決を目指して奔走します。それが故に、若い方にはまだ縁のない定年の退職金についての問題にも直面します。
本音や建前、そして、これからの生活……。悩み、葛藤し、大石はそれでも事件解決に向けて進んでいくのでしょう。今回の「祭囃し編」でついに事件の真相に辿り着きます。
真相を暴き、定年を迎え、穏やかな引退生活を送っていただきたいですね…んっふっふ。
「祭囃し編」について 一人より二人。二人より三人。 原作・監修:竜騎士07
こんにちは、竜騎士07です。
「祭囃し編」も終盤に差し掛かりました。
今回は大人たちが頑張った巻でもあります。特に大石!彼が周りの人間を動かし、大きな敵であった園崎家と和解し一つとなり大高を撃退する。人望の厚い彼だからこそ、勝ち取ることのできた勝利だったのではないでしょうか。大石の勝利なくしては48時間作戦は成功しないですからね。大高は……典型的なやられ役だった気もします(笑)
この巻では富竹にも大きな見せ場がありました。想い人のために止まらない男「富竹」。彼がこんなにも皆さんに愛されるキャラクターになるとは夢にも思っていませんでした。
自分の命を懸けてでも、守りたい人がいる……。守りたい人のために、止まるわけには行かない。そんなカッコいい事言ってみたいです。結局あっさり捕まってしまいましたけどね(笑)
貴方の傍らに富竹のような人は居ますか?友人が一人で悩んでいる時に、一緒になって悩んだり考えたりできる人になってあげてください。一人より二人。二人より三人。輪が広がることによりそれはやがて大きな力になります。
その輪の中に貴方がいることを願って……。
5巻は記憶の継承に失敗した梨花に羽入が事の真相を語るところから始まります。
本来女王感染者である自分を守るはずの鷹野と山狗が敵と知り当惑する梨花。
敵の正体が分かっても無理だと諦める梨花に、羽入は前の世界のことを話します。
沙都子の問題を皆が協力して暴力以外で解決した世界の話を。
発症させない方法は、「みんなに相談する」ことであると。
圭一から奇跡は信じなきゃ起きない、そしてみんなが信じれば必ず奇跡は起こると教えてもらった羽入は梨花に戦って…!と説得します。
今までとは変わった羽入を見て、決意する梨花。彼女たちは仲間を集めることにします。
一方その頃、赤坂は大石や熊ちゃんたちと会っています。
赤坂は梨花ちゃんに会いたいと思って来たと告げます。
そして、この世界線では梨花の予言のおかげで奥さんは命を救われていますね。
捜査資料から入江診療所の名前を見つけた赤坂は、このことを思い出し、そして、梨花の「昭和58年の今日あるいはその数日後私が殺されます」という予言も思い出したのです。
赤坂は大石から、予言通りに昭和56年梨花の両親が怪しい形で死んだことを聞きます。
昭和54年にダムの現場監督が死んだのも予言通り。
赤坂は昭和55年に沙都子の両親が転落事故で死んだことを言い当てます。
そして秘匿捜査指定が入っているはずの4年目の事件も言い当てます。
顔色を変える大石たちに「私は今年殺される人間の名前も知っています」という赤坂。
古手梨花が殺されると伝える赤坂。警察たちは静まり返ります。
あり得ないという熊ちゃんを遮り、大石はこりゃいったい何の話ですかと尋ねます。
赤坂は梨花が昭和53年6月の時点で語ってくれたことを伝えます。
雛見沢に行き、古手梨花の真実を聞きましょうと硬く握手を交わす二人。熱いですね。
その頃野村は、梨花を殺す終末作戦を1週間後に決行すると鷹野に電話します。
電話を切ったあとの野村は、今度は高城と名乗って別の誰かに電話します。
緊急マニュアル第34号に総理は必ず署名する。そうすれば雛見沢症候群という危険な研究をしていた連中の責任が追及され、旧小泉派は発言力を大きく失うと。
そうすれば官邸は我らの手中に納まるも同然。鷹野は駒として大きく貢献してくれた。
日本を手に入れるために村1つの犠牲は安いものですと。
鷹野は貴女と祖父は神になれると唆され、派閥争いの駒として利用されていますね。
梨花は皆の力が必要と分かりつつも、どうすれば皆に信じてもらえるか悩んでいます。
まず、梨花はもともと研究のことを知っている入江に相談することにします。
しかし、梨花を殺せば雛見沢症候群の研究は止まるからあり得ないと古江。
また、もし集団発症が起きたときは、雛見沢の住人全てを毒ガスで皆殺しにする緊急マニュアル第34号という緊急措置がとられるということも古江から聞かされます。
自分が死んだ世界で毎回そのようなことが起きていたのかと憤る梨花。
また3年後に研究の打ち切りが決定しているから猶予を有意義に使いたいはずだと古江。
動機が己と祖父が神になることで、研究はその手段に過ぎないと読者は知っています。
しかし、梨花はどうしても鷹野の動機を掴むことができません。
羽入は「あぅあぅあぅ 悩んだときこそ仲間の力を借りるのです!」とアドバイス。
漫画の話だとして、仲間たちにそのまま伝えて動機は何だろうかと尋ねる梨花。
すると、魅音があっという間に「研究者を利用する更なる黒幕がいる」と言い当てます。
『研究員は自分んが半生をかけて築いてきた研究が後3年で打ち切られるって話が決まり「東京」に陳情するも酷い言葉でこき下ろされ救いの道もなく傷つき辛い思いをしている。そんな時Aの派閥を失墜させてのし上がりたいBの派閥の一員がその憔悴した悪の研究員に目をつけるんだ。「私だけは貴女の研究を理解できます」「村を滅ぼし貴女の研究の偉大さを上層部に知らしめるのです」。普段はプライドが高く気丈な研究員も傷ついた心を揺さぶられ簡単に懐柔されてしまう。そして研究員は立ち上がるんだ。他の人の手で自分の研究成果が破棄されるくらいならせめて自分の手で葬ろう。自ら女王を殺し研究に終止符を打とう。』
部長強い。
そして、3年の猶予についてもレナが黒幕の都合、沙都子が研究員にとっては猶予ではなく3年後に死刑と言われたように感じていると言い当てます。
梨花は、一番重要なこと、主人公の少女はどう立ち向かえばいいかを尋ねます。
「無理」と一蹴する魅音。絶望しかける梨花。
と、「こんな設定はどう?武器全般が扱えて小隊指揮も出来る戦闘のエキスパートとトラップだけで敵部隊を混乱させられる特殊能力があったりする子がその主人公の友達とかね」
一転して希望の表情の梨花。
沙都子のトラップのすごさ。魅音の指揮能力。レナの運動能力。圭一の機転。
こんなにも頼もしい味方にどうして私は今まで打ち明けなかったのか…と梨花。
一人では出来ない事でもみんなでなら出来るのですと羽入。
一人では絶対不可能な事でもみんなでならきっと奇跡が起こせる…
どうやったら陰謀に勝てるのかもっとアイデアが欲しいと仲間に尋ねる梨花。
1つ気がかりなのは今回は漫画の話として相談している点ですね。
梨花は古江と富竹を呼び出し、鷹野に命を狙われていること、研究の打ち切りを宣告された鷹野が今とても正常な状態とは言えないこと、派閥争いの駒として利用されている可能性などを告げます。
あり得ない話ではない、と鷹野と山狗の近辺を至急調査させると富竹。一歩前進です。
また、富竹に暗殺に気を付けてと警告する梨花。
今まで一度も警告を真剣に受け止めなかった富竹ですが、この世界で初めて届きました。
ここで後ろから物音が!出てきたのは大石でした。
話がややこしくなる前に出直して欲しい梨花ですが、大石は懐かしい友達を連れてきたと。
そこには、昭和58年6月に来てくれることなどあるわけがなかった、赤坂の姿が。
「長い間待たせてすまなかったね」と赤坂。梨花に対してだと非常に重みがあります。
号泣する梨花に、無条件で君の味方だしどんな不思議な話も信じると赤坂。
赤坂から公安部資料室所属を聞き、うっかり極秘強硬捜査部隊と言い当ててしまう富竹。
入江にも赤坂は「入江機関」や「二等陸佐入江京介」の話を振ります。
もう隠しっこはなしにしましょう。私達しっかりと聞いちゃってるんですから!と大石と赤坂。
入江と富竹はすべてを二人に話すことを決めます。
今まで接点のなかった大人達が集い話し合っている初めての世界に奇跡を感じる梨花。
雛見沢症候群などの話を聞き、赤坂は特殊部門にいることもありすぐに信じます。
一方小説の筋書きを聞いたような気分の大石に、赤坂は手を引いた方がいいと告げます。
定年で退職金を得られる直前にいることが理由だと赤坂は言います。
職も退職金も何もかも全てを失う覚悟がなければ引き返せということです。
おやっさんの墓前で誓った大石ですが、何十年もかけてきた人生を前に葛藤します。
「雛見沢村連続怪死事件の真相を暴く!夢にまで願った真相の扉が今ここにあるってのに退職金欲しさに我が身を守ろうとするなんて私の刑事魂はそんなもんだったんですかね!?畜生…畜生…ッ。警察なんていつでも辞めてやるって何で言えないんだ…畜生…ッ…」
古江は全てが終わったら連続怪死事件の全てをお話しますと伝えます。
大石は、皆さんに協力した勇気ある大石蔵人に教えてくださいと返します。
「少し考える時間をいただけませんかね…不甲斐ない私に少しの時間を―」
今まで沢山の世界を見てきた梨花でさえ、こんなにも弱弱しく見える大石は初めてです。
言葉をかけられない梨花たちですが、羽入が出てきて「僕が許します」と言います。
雛見沢の守り神として大石の人生も見守っていた羽入だからこそ言葉をかけられます。
「決して軽くない人生だからこそ決断を求められる時にもその選択肢は重みを得る。軽々しい選択や蛮勇は決して誇らしいものではない。真に誇るべきなのはあなたのような真に重い人生を歩んできた者が本当に重い選択をした時なのです。あなたが冷静で落ち着きのある選択をしようとも、勇敢で男らしい選択をしようとも、それがあなたの悩み抜いた選択である限り私はあなたを讃えましょう。」と優しい顔の羽入。
「ありがとう初めて会うお嬢さん。なぜか一番嬉しかった言葉です…。臆病な私に時間を許してくれてありがとう…」と晴れ渡る顔で返す大石。
大石は裏で糸を引いていたのが園崎家だと信じて追ってきたのが正解だったか尋ねます。
入江はいいえ不正解です、連続怪死事件は全て私達側から説明出来る事ですと返します。
その言葉を聞いて、大石は大声で空に向かって笑います。
大石…嬉しそう…どうして…?とわけが分からない梨花。
憎む人がいなくなるというのはとてもとても幸せで気持ちのいい事なのですよ、と羽入。
大石がその場を去って話合い再開。富竹は入江機関に内緒で宿を変更することに。
そして、梨花は仮病で学校を休み、沙都子と共に園崎本家の地下に匿ってもらう事に。
その間の夜の自宅電気の点灯は赤坂が泊まり込むことに。
動揺して照れる梨花に対して全く照れずに即断する赤坂。何か腑に落ちない梨花(笑)
赤坂と共に自宅に戻り、沙都子に事情を話そうとすると、そこには既に荷造りをする姿が。
どうやら沙都子は境内で盗み聞きしていたようです。そして親友の話は信じると。
翌朝、梨花は園崎家で部活メンバーに漫画の話は本当に起こっていることと打ち明けます。
巻き込んでしまって申し訳ないという梨花、一瞬面食らって静まり返るメンバー。
そんなとき羽入が圭一にはっぱをかけます。そして圭一は皆に火をつけます。
一致団結した皆は今後の作戦を立てます。真の攻撃役である富竹に援護はできないか。
ここで魅音が緊急マニュアルの穴について気づきます。「どうして梨花ちゃんが死んだ事もないのに48時間で村人が発狂するなんてわかるのさ。」
沙都子と圭一も敵の弱点に気づきます。緊急マニュアルの意味を失わせればよいと。
つまり、「梨花ちゃんが48時間前に死んでればいい!」
大石の協力が必要だが、「梨花ちゃんの死体が発見されました。でもその死体は死後48時間以上が経過しています」という偽情報を流してもらえばいいわけですね。
圭一たちが言ってくれるまで全然気が付きませんでした(笑)
マニュアルの根本に疑いが出て上からストップがかかり、敵のもくろみは崩れるはずです。
そこで動揺をついて富竹が連中の尻尾を掴んで番犬部隊を呼び寄せれば鎮圧できると。
こうして「48時間作戦」が計画されました。
さて、48時間作戦のことを頼まれた大石は、おやっさんの墓前でどうするか悩んでいます。
すると、毎年律儀に紫陽花をお供えに来てくれている人らしき足音が後ろからします。
いったいどんな人が…と振り返ると、そこにはなんと園崎茜と園崎詩音が。
大石が犯人と疑い恨んできた園崎家の人間が、おやっさんに紫陽花を供えていたのです。
対立していたあなた方がなぜと問う大石に、ダム戦争はもう終わったからと母娘。
しかも、毎年供えられていた包みの中身は、鬼婆特製のおはぎでした。
「そんな…」と信じられない大石。
茜と大石は次のようなやりとりをします。
茜「大石の旦那。もうさ、そういうのはおしまいにしようじゃないかい。園崎家がダムの監督の墓前に花を供えちゃいけない、とかさ。もう昭和も60年になろうってんだ。下手すら数年もしない内に元号も変わるかもしれない。…そんな時代なんだよ。国にも私達にも悪いところがあった。だから反省するよ。そしてそれはそれでおしまい。古い時代を片付けて新しい時代を作るのが残された者の仕事さね。不幸な事件があってこの御仁は死んじまったけど、…もし生きてたなら私ゃ一緒に酒を飲んで全部水に流したいと思ったさ。でも死んじまった。だからこの御仁とはもう仲直り出来ない…悲しい事さ。」
大石「…それが死別というもんですからねぇ…。」
茜「…でも、あんたは生きているじゃないかい。」
大石「そうですね私は生きてます。あんたらも生きてます。―ああ、晴れてきた。」
茜「時代は変わっていくのさ…雛見沢も新しい時代に移っていく。」
大石「確かに…あの鹿骨の鬼姫園崎蒐にいつの間にか説教をされるようになったんですからねぇ。」
茜「嫌だねそんな通り名まだ覚えているのかい?もう忘れておくれよ。」
大石「んっふっふっふそうですねぇ。ダム戦争はもう終わったんですから。」
この二人が雨上がりの晴れた空を見上げながら、最高の笑顔で会話してるんです。
もう、こう、胸にぐっと来ました。
茜と別れた後、おやっさんの墓前で「行ってきます――」と決意を固めた大石。
その頃、鷹野は野村から、計画通り富竹殺害の指示を出されます。
しかし、買収に応じた場合はどうしましょう…など何やら躊躇いを見せている鷹野。
いつもは鬱陶しく感じていたのに、ここ数日はずっと彼のことを考え会いたいと考えてます。
いつものように連れ出して欲しい、彼に私を許してほしい。と心のどこかで思っている鷹野。
彼女は彼女で何やら葛藤しているようですね…。
もう誰も私を許す事などない、でも仕方ないんだ、全てはお祖父ちゃんを神とする為。
しかし、彼女はここで気づいてしまいます。
本当にそう?本当にお祖父ちゃんはこんな形で自分の研究が認められる事を喜ぶの?と。
私がこんな事をしなければお祖父ちゃんの研究は日陰の存在だったかもしれないが消滅させられる事はなかった。消滅さえしなければいつか誰かがこの研究の偉大さに気付き日を当ててくれる事もあったかもしれない。でも私がその可能性を閉ざした。私が間違っていた?
研究を継ごうとしなければ、お祖父ちゃんに助けられなければよかったんだ、と激しく心を乱す鷹野。お願いジロウさんそばにいて!!どうしていてくれないの!?私は…私は―
「鷹野さん」
(ジロウさ――) 振り返るとそこにいたのは富竹ではなく入江でした。
入江に自分の過去の不幸と、高野一二三のことを話す鷹野。
「でも私はお祖父ちゃんの研究を失い」(そして明日にはあの人を――)
「結局私は最後まであと1本の旗を手に入れる事が出来ないみたい…」
ここで富竹の告白シーンを思い出すあたり、鷹野は富竹に惚れていたんでしょうね。
(もう戻れない…)と決意を固めてしまう鷹野…。
仲間たちは園崎家は一致団結、「雛見沢の興廃はこの一戦にありだ!!」と決起します。
48時間作戦の発動は綿流しの日の朝4時に決定。
勝つのは鷹野か、私達か。さあ今こそその時は来た。開こう昭和58年6月19日の扉を。
雛見沢のいちばん長い日が今始まる――!!
といったところで5巻終了。
仲間との推理、赤坂との再会、大石の葛藤と園崎家との和解、鷹野の苦悩。
今までで最も密度が濃く、渋く、熱い巻でした。
6巻冒頭は鷹野へ偽の情報が伝えられます。研究を見捨てられると焦る鷹野。
一方、梨花の家を監視していて点灯を見ていた山狗の小此木。
祭りの日で突入もできないという出来過ぎた状況に何者かに攻撃されていると見抜きます。
彼はちょうど欠席していた富竹が怪しいとして富竹の行方を探らせます。
署では大石が梨花の死が本当か確認しにきた敵のスパイ、県警の大高を食い止めます。
「刑事魂をかけた仕事だというのなら私をどかしてみなさい」と立ちはだかる大石。
無理やり通ろうとする大高の肩を掴んで止める大石。
「私はね背負っていますよ。雛見沢の住人二千人分の命をね。」「ここを通りたければ二千人を押しのける気迫で来んかい!!」と一本背負い!大石熱いですねー。
大高は腰を抜かしながら園崎議員の名前を出して脅しにかけます。かっこ悪い。
しかし「お前誰じゃい」と、そこには園崎茜と園崎三郎議員の姿が笑
園崎の名を騙った大高は園崎議員に奥に引っ張られていきました。
鷹野の方は、梨花の在宅確認を入江の証言でしか裏付けられないなんとも頼りない状況。
野村から催促され焦る鷹野。
しかし、富竹の不在が怪しいと同時に、古江も怪しいと気づき監視をつけます。
富竹は居場所がばれ、逃走を試みるもあっさり捕まってしまいます…。
富竹の捕縛を知った入江も赤坂の助言通り逃走を試みます。
赤坂に梨花宅への電話コールという囮も兼ねた緊急報告をし、車で逃げる入江。
梨花宅から飛び出した赤坂は不審な男として鷹野に存在はばれます。
発砲されて転落した入江は、偶然通りかかった詩音の乗った車に拾われ、園崎本家へ。
しかし、入江の服には発信機が取り付けられていたため、園崎本家が本陣だとばれます。
園崎本家に乗り込んでくる山狗。しかし沙都子のトラップが炸裂します。
部活メンバーと詩音と葛西、入江は園崎家の地下へ避難。籠城戦の開幕です。
詩音と葛西に事情を話す部活メンバー。
しかしこのタイミングで電気を落とされ監視セキュリティが停止します。
綿流しを知らせる花火の音にまぎれさせて爆薬を使う山狗。
防空壕の鋼鉄製の扉が爆破されてしまいます。
いち早くその意図に気付いた皆は奥に逃げ込みます。
逃げ道は竪穴そのものの井戸の途中の横穴のみ。しかも足場は不安定なはしごだけ。
一人一人が降りてしまっては最後の人間は間に合わないことは明白です。
詩音は「たまには姉らしい事させて下さいよ。"詩音"。」と言って殿を務めることを提案します。
本当は姉で頭首になるはずだった詩音は、小さい時に入れ替わったせいで魅音に頭首の座を押し付けてしまったことにずっと罪悪感を抱いていたのです。
順番に降りる一行。最後に残ったのは葛西、詩音、圭一です。
自分が残るという圭一に「私の想い人はもういないけど、お姉にはいるもん」と詩音。
「圭ちゃん。まだ死ぬ気はないけど下にいる"詩音"に伝えて。私達また生まれ変われるなら…次の時も双子がいいね」
銃撃戦に飛び出していく詩音。こんなん泣きますわ。
横穴で詩音を待つ一行ですが、上からは無慈悲な制圧という声が…。
山狗はまだ息のある詩音を人質に、梨花と入江の身柄引き渡しを要求します。
梨花はみんながきっと助けに来てくれる奇跡を信じ、自分が山狗の前に出ることにします。
他の皆を見逃すことを条件にはしごを登っていく梨花。
梨花を捕まえた小此木は部下に残った者の射殺を命じます。まさに外道。
梨花に迫る睡眠薬…終わったか…と、そこに注射器を持った奴を殴り飛ばす男の姿が!
「…間に合った…。数え切れない世界で後悔した。いつも気付く時には手遅れだった…。私がずっとずっと一番伝えたかった言葉を言うよ。梨花ちゃん、君を助けに来た――!!」
赤坂ー!!かっこよすぎるー!!
約束は、5年前。だがそれは、5年では決して培えぬ思い約束。これは…百年にも勝る約束の誓い。足して百年間。幾多の世界で、少女を救えなかった後悔に苦しみ、奇跡を信じて我が身を鍛え続けた男がいた。幾多の世界で、願いを込めて、男を待ち続けた少女がいた。その二人の想いが、今、奇跡を起こす。昭和58年6月、雛見沢―――赤坂衛はついに、古手梨花の危機に間に合った――!!
ナレーションもかっこよすぎてこんなのテンション上がりますわ。
空手を極めた赤坂の拳は、全て一撃で山狗の構成員を撃沈していきます。
その威力、まさに徹甲弾!!
強者との戦闘を望んでいた小此木は狂喜して赤坂に勝負をふりかけます。
しかし、小此木を拳をまともに受けてノーダメージの赤坂。
「軽い」と一言。心を養う空手と違い、ただの戦闘職の小此木の一撃には重みが宿らない。
「俺が山狗の小此木だぁあぁ!!」「そりゃ良かったな。給料いくらだ。」
ちょっとよく分からない決め台詞と共に放たれた一撃で、小此木轟沈。
ちゃっかり地下のメンバーも銃器を奪って反撃、見事山狗を追い返します。
詩音も無事です!よかった!!
山狗の暴走がハッキリしたので、あとは富竹が番犬部隊に伝えれば援軍が来ます。
さぁ富竹さん救出作戦の開始だ!! といったところで6巻終了!
大石の刑事魂、詩音と魅音の姉妹愛、かっこよすぎる赤坂。
熱い展開に超テンション上がりました!
文字上限が怪しいので、また分割して次の記事で続きをば。
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